これからもずっと君のとなりに。

「え、梨那ちゃん…!?」


突然泣き出した私に、さっきまで嫌いと言われて落ち込んでいた山崎君も声を上げた。


ごめん…ごめん、山崎君…

嫌いなんてほんとは嘘。

自分を守るために嘘をついたの…

こんな心弱い私を許してね…


「…梨那、行くよ。」

「茉依っ………。ごめっ……」


私が声にならない声で言うと、茉依は優しく背中を撫でながら立たせてくれた。


「ほら、謝る暇があるなら涙拭いて。誰にも見られたくないんでしょ?」

「うん…グスッ…」


でも、どうしよう。

山崎君達に見られちゃったしなぁ…


いつもなら泣かないのに、今は突然泣いてしまったことに戸惑いつつも、私の頭はどこか冷静だった。


「……梨那。」


それまでずっと黙っていた黒髪の人が私の名前を呼んだ。

しかも、下の名前で呼び捨てだ。
< 20 / 359 >

この作品をシェア

pagetop