これからもずっと君のとなりに。

いくら天然鈍感無自覚とはいえ、恋愛的に好きな相手にとる態度ではないような気もする。


…ようは自信がないだけなんだけどな…


「自信がないって顔してる。」


甲斐は、少しだけ目を細めて微笑んだ。


「さっきから、なんで俺の考えていることが分かるんだ?エスパーか?」


「何言ってんの。望月君、考えていることが顔にだだ漏れだもの。私、人を観察する力くらい備わってるから。」


…ほんと、何者だよこいつ。


縄倉も須藤も梨那もだけどさ…


いくら、俺が分かりやすいとはいえ、鋭すぎねーか?


「私は、何者でもない、甲斐 愛乃だよ。とにかく自信持って。私達だけじゃない。その揺るぎない瞳の強さは、他の“みんな”も認めたんだから!」


俺は、甲斐の勢いある言い方に圧倒されて、思わず頷いた……




そして、甲斐がその後に、




“ありがとう、望月君…”




とポツリと言ったのも聞き逃さなかった………ーーー


< 203 / 359 >

この作品をシェア

pagetop