これからもずっと君のとなりに。
「な、に……」
微かに聞こえる声でしか反応しない私に、手を広げてこう言った。
「……おいで?」
たったのそれだけの言葉なのに、私の心を満たすには十分だった。
「なん、で……」
私は止まりかけていた涙が溢れ返った。
この人のどこまでも澄んだ瞳に…
どこまでも優しい声に…
私は魅了された。
気づけば、背中を支えてくれていた茉依の手はいつの間にか離れ、黒髪の人に抱きしめられていた。
すごく…暖かくて安心する。
一番初めに出てきたのはこの言葉だった。
だけど、どうしてあなたは見ず知らずの私にこんなに優しくしてくれるの…?
「望月、君……?」
私は、涙を堪えながら必死に呼びかける。
「優斗。」
「え…?」
私が顔を上げると、そこには目を細め、優しく微笑んで私を見る望月君がいた。