これからもずっと君のとなりに。
なのに…なのに……どうして、もっと強く引き留めなかったんだ………?
あー…もう!!
俺は、イライラを抑えきれずに、近くの壁を思いっきり蹴った。
「ちょっと、優斗!あんた何してんの……って…もしかして、何かあった?」
少しびっくりしながらも、心配そうに俺を見てくる母さん。
「いや……それより、俺、これから出かける用ができたから。20分後、迎え?がきたら出かける。」
「え、何それ。迎え?どういうこと?」
「……俺にもまだ、よく分かんねぇんだ。ただ、一つだけ言えるのは、俺の命よりも大事なやつが、いなくなった。」
…そう。
梨那がいなくなった。
今の俺には、まだその事実しか分からない。
謎だらけなんだ。
須藤が俺の家電を知っていたことや、車で迎えに行くと言っていたこと。