これからもずっと君のとなりに。

迎えに行くといったって、誰が来るのかも疑問だし、俺の家も知っているということになる。


それに、まだ梨那のことも全然知らない。


あの日、甲斐から少し梨那のことは教えてもらったけど、それも梨那とあの先輩に関することを少しだけ。


他のことは、夏休み中には話せればって言っていたけど、まだ教えてもらっていない。


「…!そう。優斗にも本気で好きな子が出来たのね。お母さんは止めないわ。優斗が後悔しないようにすれば良い。だけど…母親として言わせてもらうわ。無事に帰ってきてね。」


母さんは優しい眼差しで俺の方を見ながら微笑んだ。


「…!ありがとう、母さん。」

「ふふっ。どういたしまして。」


母さんとこんなふうな会話する日が来るとは思わなかった。


俺は、自分の部屋に戻って、昨日梨那がくれた花と葉っぱをポケットに入れると、玄関へ向かった。
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