これからもずっと君のとなりに。

分からない……分からないっ………!


でも、もしそうだとしたら、俺は好きな女に守られたことになる。


情けない……

好きな女の一人も守れなくて、苦しみにすら気づけないなんてっ………






「…梨那はね、昔から我慢する子だった。私達にも本音を隠して、いつも自分じゃない誰かを優先するの。」


昔を思い出すように、どこか遠い目をしながら話す、梨那のお母様。


「だから、そこに書かれていることは、面と向かって直接言えなかった梨那の本音が詰まってるのよ。素直な梨那の気持ちが。」


…っ梨那の、本音と…素直な気持ち……


分かる……だって、梨那はいつも、自分のことは多く語らなかった……


彼女が唯一俺に話してくれた素直な気持ちといえば……




『私は、優斗くんの笑顔が大好きなの。』


………………


………………


< 284 / 359 >

この作品をシェア

pagetop