これからもずっと君のとなりに。
すると、縄倉はどこか遠くを見つめながら意味深な発言をした。
「…今目の前にいるのは梨那だけど、梨那じゃない。今の私からはそれしか言えない。」
梨那だけど梨那じゃない…?
「それってどういう…「お願いだからこれ以上は探らないで。」
甲斐が、涼太の言葉を途中で遮った。
そう言った甲斐の瞳は悲しみで揺れていた。
きっと、梨那だけじゃなくて、甲斐達にとっても苦しい過去だったのだろうか。
「…分かった。というか、言われなくてもそばにいる。」
俺がそう言えば、縄倉の表情が少し緩んだ気がした。
「ありがとう。ただ、登下校は四人でする約束になってるからごめん。それとね、梨那は望月君を避けると思うの。だけど、それはあなたのことが嫌いとかそういうことではないから、長い目で見てほしい。」