これからもずっと君のとなりに。

私は普段は言えないお見送りの言葉を口にする。


自分でも無意識だった。


私、なんで彰なんかにこんなこと言ってるんだろう。


自分でも分からなかった。


でも、いつもと少し違う彰に、何か引っかかって…


彰は私の言葉に少し目を見開いたが、やがて嬉しそうに優しく微笑んだ。


「…!ありがとう梨那がそんなこと言ってくれるなんて嬉しいよ。」


ポンッと私の頭の上に乗せる彰。






「今までごめんね………。幸せになって、梨那………ーーーー」






私に背を向けて、歩き出した彰が呟いた声は、梨那には届くことはなかった………ーーーー






****


今の時刻は夜の7時。


彰はまだ帰ってこない。


彰はどんなに仕事が長引いても、今くらいの時間には帰ってきていた。


それに、今日は仕事じゃない。
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