これからもずっと君のとなりに。

………ああ。


そうか、だから今日の彰は様子が変だったんだ…


きっと、空っぽの私を見て切なくなったんだろう。


私が出かけるのを拒んだ時、すごく悲しそうな表情をしていた。


それに、あの時のキス。


優しく、いたわるようなキスだった。


…どうして。


なんで最後の最後でああいうことするかな…


彰は、きょうちゃん達を殺して、私を数えきれないほど犯した、私には憎むべき相手とも言えるだろう。


それなのに…嫌いになりきれない自分がいた………


彰のしたことは、れっきとした犯罪だし、きょうちゃん達を殺したことは絶対に許せないけど…


でも、今なら分かる…


あの人はただ不器用なだけだったんだって……


私のことが好きだったけど、ただただ愛し方が分からなかった、可哀想な人……




私は、無意識に唇をなぞっていた………


< 298 / 359 >

この作品をシェア

pagetop