これからもずっと君のとなりに。

私がにっこり微笑めば、少し顔を赤らめる店員さん。


「…!いえ、こちらこそ梨那様のことを知らなくてすみません。私は、今年の春からここの売り場で働いている南条 灯里 (なんじょう あかり)と申します。ここを訪れた際は、ぜひお声かけ下さい。」


と、丁寧にあいさつしてくれる。


「こちらこそ、驚かせてごめんね?事情は杏ちゃんに聞いての通りです。じゃあ、灯里さん今日はありがとうございます。また来ます。」


私も商品を受けとってあいさつを返す。


「はい!ぜひまたいらして下さい。」


お辞儀をしてくれる灯里さんに軽く会釈をして、私達はお店を出た。


「あの人…灯里さん、梨那の笑顔にやられたね。」


お店を出たところでぼそっと、意味不明なことを呟くまな。


私の笑顔にやられたって…何それ?
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