これからもずっと君のとなりに。
「秀にぃ……」
私が名前を呼べば、フッと一瞬微笑んだ。
「せっかく今日は、みんながいるんだ。そんな顔をするな。」
「…うん。ありがとう、秀にぃ。」
嬉しかった。
久しぶりの秀にぃの笑顔。
秀にぃは笑うことが少なくて、どちらかといえば、いつも無表情に近く、何を考えているのか分かりにくい節がある。
だからこそ、たまにこうやって笑顔を見せてくれる秀にぃが、私は昔から大好きだった。
「ごめんごめん、待たせたね。じゃあ食べようか。」
準備をしてくれていた享にぃと秀にぃが席について、享にぃがそう言えば、食事の始まりの合図。
「「「いただきます。」」」
…どうしよう、何から食べようかな。
私はテーブルいっぱいに並べられた料理をぐるっと見渡す。
「梨那、何食べる?」
声をかけてくれたのは、隣の席のしんちゃん。