これからもずっと君のとなりに。

「梨那、良かったの?一誠置いてきて。」


心配そうに尋ねてくるあきくんに、ほんとに優しいなぁと感心する。


「いいの。だって、いっくんが冗談言うのがいけないんだもん。」


…絶対私をからかったよね。


いっくんっていつも敬語だし、掴みどころがないから、ある意味苦手。


たまに、心を見透かされてる気分になることがあるんだよね。


「…確かにあいつは分かりにくいやつだけど、あんなことは梨那にしか言わないのにね…」


ボソッと呟くあきくんの声は私の耳には届かなかった。


「あれ?一誠も来たんじゃないのか?」


私とあきくんがリビングに入ると、不思議そうな顔をする美里ちゃん。


「いっくんなら置いてきた。」

「え、なんで?」


今度は唯ちゃんが素っ頓狂な声をあげる。


「だって、私をからかうんだもん。」
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