これからもずっと君のとなりに。

「からかったつもりはこれっぽっちもないんですけどねぇ。僕が梨那に伝える言葉はいつだって本心ですよ?」


後ろから聞こえるいっくんの声。


「…いっくん、それ以上言ったら、私いっくんのこと嫌いになる。」


私は後ろを振り返ってキッといっくんを睨む。


すると、いっくんは一瞬目を見開いてから、少し悲しそうな顔をした。


「…分かりました。梨那がそう言うのなら。ですが、お願いだから嫌わないで下さい。」


そう言って、ギュッと抱きしめてくるいっくん。


…バカ。

私がいっくんのこと嫌いになるわけないよ。


確かに、何を考えてるのかよく分からないことが多いけど、弱い私の支えになってくれているいっくんを嫌うはずがない。


可愛いって言われてムキになったのも、誰にでも言ってそうだと思ったから。
< 93 / 359 >

この作品をシェア

pagetop