【短】私の夏はもう、
一か月前。
私は彼と1年ぶりの再会をした。
待ちに待った瞬間だった。
たったの1年がどれ程長かったか。
会えなくて辛かったか。
その辛さは私だけが覚えていればいいのだけれど、顔を見たのと同時に涙が零れたのを彼は見逃さなかったみたいで
やさしく抱きしめてから「俺も会いたかった」と一言いうと、さらに強く抱きしめてきた。
同じ気持ちでいたことがとても嬉しくて。
お互い体を離せば、「毎年恒例だよね(だな)」と笑いあうのもまた嬉しい。
自然と彼の左側に寄り添い、手が触れ、指が絡まる。
一年ぶりの彼の温もりに笑みがこぼれた。
「んーっと……映画だっけ?」
「うん!楽しみ〜」
「俺も」
他愛ない話をしながら目的地を目指す。