花丸さんちのしあわせレシピ
「それ、なんですか?」

茫然自失だった私は、
かけられた言葉にはっとして、振り返った。

「か、カレーうどんですけど」

「いやあ、
カレーうどんというより焦げカレー?
いやそれ以前に食べ物じゃないでしょう?
生ゴミだね」

「し、失礼ね。
初めて作ったんだもの。失敗したってしょうがないでしょう?

何が悪かったのかしら?」

「オーブントースターじゃ、
冷凍はなかなか溶けないだろうね。
上のカレーは焦げるだろうけど?

それに、うどんにレトルトかけただけじゃ
カレーうどんはまずいと思うけど?」

「ほっといてよ、どうせ私は料理音痴よ!
他人の貴方に指図されたくないわ」

「まあ、そりゃそうだ。
余計なあお世話しましたね。
あ、タロちゃんの首輪交換したんで、
どうもお邪魔しました」

「ちょっと待って!」
今帰してはいけない。
私は生き残ろうとする本能で、
帰ろうとする彼を必死で引き止めた。
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