real feel
「……ご馳走さまでした」

まひろが作ってくれた方が断然美味いに決まってるのに、上機嫌で俺が作った簡単な朝飯をきれいに食べてしまったまひろ。

「後片付けは私にさせてくださいね!あとは家政婦らしくお掃除とか……」

「じゃあ分担制な。片付けと掃除機かけるのどっちがいい?ああ、水仕事は身体が冷えるかもしれないから俺がやろう。俺が片付けしてる間に掃除機かけてくれるか?でも無理だけはするなよ。休み休みでいいから」

大事な身体だからな。
怪我させたり疲れさせるわけにはいかない。

「どうしたんですか主任。なんだかいつもと違いますよ?」

ちょっと訝しげな様子だけど、ここはあえてスルーしておく。

「終わったら、話したいことがあるから」

それだけ言うと、さっさと立ち上がって食器を台所に運ぶ。
何か問いたげにしてたけど、まひろも自分の分担の掃除に取りかかったようだ。
さ、俺も今は食器洗いに集中。



「主任、話したいことって何ですか?」

「昨日まひろの母さんから聞いた。イチにぃの結婚式の前日に例の話し合いをしたいと。だからその前に確かめたいことがあるんだ」

じっと黙ったまま、俺の一言一句を真剣に聞いているまひろ。
この表情がどう変化するのか……。

「ずっと体調が万全じゃないようだけど。ストレスとか溜まってないか?」

「溜まってないと言えば嘘かもしれませんが、体調を崩すほど深刻ではありません」

「俺はストレスのせいだけじゃないと思ってるけど。まひろ、正直に答えてくれ。毎月来るアレだけど、ずいぶん来てないんじゃないか?」

ハッとしたように目を見開いて、考えを巡らせているまひろが口を開いた。

「生理のことですよね?私結構いつも周期が不順で、毎月決まった通りには来ないんです。だから普段から気にしてなくて」

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