real feel
「帰りが車でなければ……2人きりになれないだろ」
みんなが集まる機会なんて滅多にないから楽しく過ごせて良かったけど、私も本当は少し物足りなかった。
せっかく主任も来てくれてるのに、あんまり話せなかったから。
「嬉しいです。今日はちょっと主任不足でしたから」
あ、本音スイッチ入っちゃった。
「俺も、同感。だから、もう少しドライブでもして帰ろう。どこか希望は?」
えっと、希望って言われても。
何にも考えていなかったから、どこがいいかなって頭をフル回転させる。
「あ、観覧車……」
遊園地の観覧車が目に入った。
イルミネーションが綺麗でしばらく見惚れてしまった。
「そうか、観覧車に乗りたいんだな」
「え、今からでも大丈夫なんですか?間に合うかな……」
たまたま目に入ったから口をついて出てしまったんだけど、夜の観覧車なんて素敵だし憧れる。
「まだ間に合うだろ。今何時だ?」
「今ですか?8時20分です」
今日の会合は、赤ちゃんや小学生に高校生もいるからと言うことで、夜の食事会にしては早い時間からスタートした。
だから8時にはお開きとなり、まだ急いで帰らなくていい。
「多分9時くらいまでやってるだろ。ここからだと近いし、行くか」
「……はい!」
思いがけず、主任と夜の観覧車デート。
すごく嬉しい。
「まひろ、顔がにやけてるぞ」
「えっ!やだ恥ずかしい……すみません」
私ったら、どんな顔してたんだろ。
チラッと主任の横顔を盗み見てみると…………え?
主任だって顔が弛んでるんですけど。
主任と付き合い始めて1年以上経ったけど、ずいぶん表情豊かになったよね。
最初の印象は"無愛想で仏頂面"だったのに。
シャイニングの人たちは、きっと知らないんだろうな。
ちょっと……いや、かなり優越感。
遊園地に着いて、脇目も振らずに観覧車に走る。
「はぁ、はぁ、間に合って、良かったですね」
主任は私が高所恐怖症なのをよく分かっているから、向かい合わせでなく隣に座ってくれる。
乗るときにはちゃんと手を引いてくれたし、その手は今でも繋いだまま。
みんなが集まる機会なんて滅多にないから楽しく過ごせて良かったけど、私も本当は少し物足りなかった。
せっかく主任も来てくれてるのに、あんまり話せなかったから。
「嬉しいです。今日はちょっと主任不足でしたから」
あ、本音スイッチ入っちゃった。
「俺も、同感。だから、もう少しドライブでもして帰ろう。どこか希望は?」
えっと、希望って言われても。
何にも考えていなかったから、どこがいいかなって頭をフル回転させる。
「あ、観覧車……」
遊園地の観覧車が目に入った。
イルミネーションが綺麗でしばらく見惚れてしまった。
「そうか、観覧車に乗りたいんだな」
「え、今からでも大丈夫なんですか?間に合うかな……」
たまたま目に入ったから口をついて出てしまったんだけど、夜の観覧車なんて素敵だし憧れる。
「まだ間に合うだろ。今何時だ?」
「今ですか?8時20分です」
今日の会合は、赤ちゃんや小学生に高校生もいるからと言うことで、夜の食事会にしては早い時間からスタートした。
だから8時にはお開きとなり、まだ急いで帰らなくていい。
「多分9時くらいまでやってるだろ。ここからだと近いし、行くか」
「……はい!」
思いがけず、主任と夜の観覧車デート。
すごく嬉しい。
「まひろ、顔がにやけてるぞ」
「えっ!やだ恥ずかしい……すみません」
私ったら、どんな顔してたんだろ。
チラッと主任の横顔を盗み見てみると…………え?
主任だって顔が弛んでるんですけど。
主任と付き合い始めて1年以上経ったけど、ずいぶん表情豊かになったよね。
最初の印象は"無愛想で仏頂面"だったのに。
シャイニングの人たちは、きっと知らないんだろうな。
ちょっと……いや、かなり優越感。
遊園地に着いて、脇目も振らずに観覧車に走る。
「はぁ、はぁ、間に合って、良かったですね」
主任は私が高所恐怖症なのをよく分かっているから、向かい合わせでなく隣に座ってくれる。
乗るときにはちゃんと手を引いてくれたし、その手は今でも繋いだまま。