real feel
いとこ同士か……。
まひろとイチにぃがもしも付き合っていたとしたら、この2人みたいになっていたのかもしれない。
蘭家と宮本家もいとこ同士の恋愛関係は認めていなかったもんな。

「これからどうするつもりだ。認めてもらうには時間がかかりそうじゃないか。さっき言うつもりだったんだろ祥平」

「そうだけど。母さんは頭痛が始まったらしばらくは部屋から出て来ないよ。いつもより長めに休むってことは、今日はもう話し合いは無理だよ」

「サッチ……サチさんは、反対されてでも祥平と一緒になる覚悟はできてるのか?」

急に話を振られて、ハッとしたように俺を見てきたサッチン。
しかしか弱そうな印象とは裏腹にハッキリと言いきった。

「もちろん、覚悟はできてます。伯母さまだけでなく、うちの親もいい顔はしないと思いますけど……。私にとってはずっと昔から、祥くんしかいないですから」

祥平が高1の頃からって事はもう10年以上の付き合いなのか。
さっきから引っ掛かっている"いとこ同士の結婚"ってフレーズ。
蘭家と宮本家でも認めない方針だった。

法律的にも世間一般的にも認められているし、何も問題ないはずだけど。
各家庭や親戚同士の問題だから、上手くいかない場合も多いのかもしれない。
俺的には本人同士の気持ちが一番大事だと思うだけだ。

俺とまひろにはそういう無駄な気がかりがなくて良かった。
いや、無駄な気がかりならさっき出てきたばかりじゃないか……。
祥平とサッチンの結婚をまとめないと、こっちにトバッチリが来るに決まってる。

「2人が本気なら、母さんに理解してもらわないとな。俺で役に立てることがあれば喜んで協力するけど」


「あの、祥くん。私もうそろそろ……」

「あ、そうだな。ごめんな突然呼びつけるようなことして。病院まで送って行こうか?」

………病院?
サッチンどこか悪いのか?
でも今日は日曜日だし、病院は普通休みだよな。

「いいよ今日は。お兄さんも来られているんだし、話したいことがあるんでしょ?それではお兄さん、すみませんが私はこれで失礼します。またお会いできますよね」

「ええまた今度ゆっくり。祥平のこと、よろしく頼みます」

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