real feel

満を持す  ※宮本一弥視点

──8月1日。

予測していたとはいえ、想像以上の打撃を受けた昨日。
………怪文書。
あまりにも直球で来たことに笑いすら込み上げる。

高柳からの伝言で、まひろと昼休みに社外で会うように仕向けられたのも"K作戦"だろうと分かっていた。
ただ、まひろを巻き込むことになったのだけが悔やまれる。

菜津美はお義母さんの入院で実家へ帰したから、直接的な被害は免れるだろう。
菜津美の有給は1週間の予定。
きっと今週中くらいには決着をみるだろうと思われる"K作戦"だが。
出来るだけ早く片が付くことを願うばかりだ。

翔のヤツからも変なプレッシャーかけられてるしな。
まひろとの関係を早くみんなに知らしめたいんだろうが、それはまだ時期尚早。
小久保にとって有利になる情報をみすみす与えてやる訳にはいかないんだ。
悪いなもう少しだけ辛抱してくれ。

しかし高柳は翔とまひろが付き合っていることを知ってるはずなのに…。
小久保がその情報を掴んでいる様子は見られない。



「宮本課長!今夜は飲み会でもって思ってるんですが、課長も是非来て下さいよ!!」

同じ教事1課の部下から飲み会に誘われたが、とても参加出来そうにないな。
今夜も例の件について部長と打ち合わせなければ。

「悪いが今夜は先約があってな。佐伯を誘ったらどうだ?たまには付き合ってやれって俺からも言っといてやるよ」

「それなら大丈夫ですよ、ブッキング済みですから。佐伯主任を励まそうと思っての飲み会なんで」

は?翔を励ます会??
あいつが部下から励まされないといけない理由ってなんだ……。
そういうキャラじゃないだろ、翔。

「じゃあ良かったら蘭さんを誘ってもらうっていうのは、どうですか?」

「……どうして蘭さんを?」

コイツら、一体何を企んでいるんだ。
返答如何によっては、俺にも考えがあるぞ。

「あの……その話はトップシークレットなんで……」

なんだなんだ?
気になって仕方がないぞ。

「じゃ続きはミーティングルームで聞こうか」

そこで俺は予想外の事態を知る事となった。




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