real feel
第1話
1年後の人事異動 ※佐伯翔真視点
──4月1日。
0:00ジャスト。
「誕生日おめでとう……まひろ」
"ありがとう"の返事を聞くのを待ちきれず、唇を重ねる。
従順なその唇は、簡単に俺のなすがままに要求に応えてくれる。
もう何度こうやってキスを重ねて来ただろう。
俺たちの初めてのキスは、ちょうど1年前だった。
まひろのファーストキスを強引に奪ったのが、俺たちの始まり。
アイツの第一印象は、厚化粧がケバくて、無愛想で、ツンツンした女。
そんなアイツの泣き顔、素顔を見せつけられ、極めつけのあどけない笑顔に見事に堕とされた。
いわゆる"ギャップ萌え"というやつか。
…………そろそろか?
夢中で貪っていたが、どうやら息切れらしいな。
けどまだ離してやらない。
逃げようとする唇を、逃がすまいと食むように追いかける。
限界か。
仕方ないからそっと離してやると、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す、可愛すぎる俺のまひろ。
「…………はあっ、はぁはぁ。あ、りがとう……ござい、ま、す……」
『おめでとう』に対する律儀すぎる返事につい、プッと吹き出した。
「もうっ……主任ったら笑うなんて酷いっ」
ようやく落ち着いてきたらしく、俺の腕を叩いてくるけど、その仕草が可愛すぎて、俺を煽ってると解ってるのか?
「笑ってねーよ……」
つい緩んでしまいそうな顔を見せないように、ギュッと抱き締めた。
「嬉しい……。今日は本当にありがとう……主任」
年度末の慌ただしい中のこと。
昨日(3月31日)"ノーザン"申請した俺たちは、定時で上がってそのまま空港に直行し、飛行機で日本最西端の地までやって来た。
まひろの誕生日を祝うため、金土の2泊旅行を決行したのだ。
俺もまひろも実家暮らしで、お互いの家に行き来することはあっても、なかなか2人きりになるチャンスは少ない。
付き合い始めて、まひろにとっては2回目となる外泊だから、今回もちゃんと許可はもらってきた。
0:00ジャスト。
「誕生日おめでとう……まひろ」
"ありがとう"の返事を聞くのを待ちきれず、唇を重ねる。
従順なその唇は、簡単に俺のなすがままに要求に応えてくれる。
もう何度こうやってキスを重ねて来ただろう。
俺たちの初めてのキスは、ちょうど1年前だった。
まひろのファーストキスを強引に奪ったのが、俺たちの始まり。
アイツの第一印象は、厚化粧がケバくて、無愛想で、ツンツンした女。
そんなアイツの泣き顔、素顔を見せつけられ、極めつけのあどけない笑顔に見事に堕とされた。
いわゆる"ギャップ萌え"というやつか。
…………そろそろか?
夢中で貪っていたが、どうやら息切れらしいな。
けどまだ離してやらない。
逃げようとする唇を、逃がすまいと食むように追いかける。
限界か。
仕方ないからそっと離してやると、はぁはぁと荒い呼吸を繰り返す、可愛すぎる俺のまひろ。
「…………はあっ、はぁはぁ。あ、りがとう……ござい、ま、す……」
『おめでとう』に対する律儀すぎる返事につい、プッと吹き出した。
「もうっ……主任ったら笑うなんて酷いっ」
ようやく落ち着いてきたらしく、俺の腕を叩いてくるけど、その仕草が可愛すぎて、俺を煽ってると解ってるのか?
「笑ってねーよ……」
つい緩んでしまいそうな顔を見せないように、ギュッと抱き締めた。
「嬉しい……。今日は本当にありがとう……主任」
年度末の慌ただしい中のこと。
昨日(3月31日)"ノーザン"申請した俺たちは、定時で上がってそのまま空港に直行し、飛行機で日本最西端の地までやって来た。
まひろの誕生日を祝うため、金土の2泊旅行を決行したのだ。
俺もまひろも実家暮らしで、お互いの家に行き来することはあっても、なかなか2人きりになるチャンスは少ない。
付き合い始めて、まひろにとっては2回目となる外泊だから、今回もちゃんと許可はもらってきた。