real feel
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4月1日、私の25歳の誕生日に結納を交わした私たち。
4月といえば人事異動の時期で、半年前に発表された通りに部署を異動する事になった。

私の異動先は、教育事業部1課。
そう、私は結局たった1年で広報をお払い箱になったのだ。
そしてまた古巣の教事1課に舞い戻って来たという訳だけど。

「蘭主任!待ってましたよ!!……佐伯課長が、ね」

そう、私は異動しただけでなく"主任"に昇格してしまった。
私だけでなく、翔真も"主任"から"課長"に昇格。

「おいおい、俺のことを忘れてるんじゃないか?」

あ、忘れてた……。

「まっ、まさか。忘れるわけないですよ、宮本部長」

イチにぃも課長から"部長"に昇格。

「これでコンビ復活だね!佐伯課長と蘭主任の2人が揃えば、教事1課も安泰ってことで。公私ともにパートナーとして頑張ってくれよな。みんな応援してるんだから」

1課の先輩、青木さんからなぜか激励の言葉をもらってしまった。

「青木さん、みんなって……」

「あの派手な『俺の女』宣言で社員全体に噂が広まってしまったけど、俺たち1課のメンバーはとっくに気付いていたんだからな!」

…………嘘っ!?
思わず翔真を見てしまったけど、素知らぬフリを決め込んでいる。

「あの……。いつから?」

「コンビ組んでる頃からなんとなく怪しい雰囲気は感じていたんだけどさ、2人ともポーカーフェイスだし決め手がなかったんだ。だけど、あの時の佐伯課長を見てしまって確信したんだ。なあ?」

1課の他のメンバーが揃って頷いた。

「あの時って?」

「それはほら、アレだよ。宮本部長の結婚披露宴の時。蘭さんが友人代表のスピーチで会場を盛り上げたじゃない。それを見ていた佐伯課長の表情がね、物凄く柔らかくてね。ラブラブビームがダダ漏れだったんだよ!」

え…………。
そうだったの?知らなかったし!

そういえば二次会で送って行けと翔真に私を押し付けるようにしたのは、私たちの関係に気付いていたから?

「あーもうお前ら!!いい加減にしろよ。いつまでもサボってないで仕事しろ!」

「課長、照れてる」

「うるさい!蘭さん、ワーセクとの打ち合わせの前に資料……」



こうしてまた翔真のパートナーとして一緒に仕事ができるなんて、夢みたいだけど夢なんかじゃない。

主任として、課長補佐として。
蘭まひろとして。
公私共に支えていきたい…………。




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