real feel
──1月下旬。
「佐伯、ちょっと話したいことがあるから今日は外でランチな」
朝礼前に、宮本課長から珍しくシャ食じゃなくて社外ランチに誘われた。
「俺はいいですけど。いいんですか?有田さんは」
イチにぃと有田さんは婚約を公表しているため、大っぴらに社内でも一緒にいることができる。
羨ましくない、と言えばそれは完全に嘘だ。
しかし、俺たちは俺たち。
立場が違うから仕方がないと、無理矢理言い聞かせるしかない。
「菜津美は今日はまひろとシャ食だってさ。俺は朝から出るから、ここで待ち合わせよう」
店の名前と場所が書かれたメモを手渡されたところで、朝礼の時間となった。
休憩時間になり指定された店に行くと、既に課長は個室で待っていた。
食事をしながら話さないといけないのは、相変わらずだ。
「翔、これはまだオフレコだからまひろには話していないけど、お前には先に話しておく」
「深刻な話ですか?」
わざわざこんな場所に呼び出すくらいだ。
「うんまあ、お前らにとってはそうかもな」
「回りくどいのは嫌いなんで、単刀直入にお願いします」
「……次の人事異動だけど、まひろは異動が決定している」
は?
「異動って……。何処に?」
「広報部・販促課。お前にとっては頭が痛いだろうな。迫田がいるし」
「どうして?アイツは俺のパートナーとして必要不可欠な存在になっているっていうのに。アイツのお陰で……」
俺の仕事の効率は、かなり良くなっている。
最初はアイツと組まされると聞いて『冗談だろ』と納得いかなかったが、その見下したような考えこそが浅はかだったと思い知らされた。
コンビを組むように仕向けてくれた、部長や課長に感謝しているほどだ。
それが何故、たったの1年で解消する羽目になったのだろう?
どう考えても納得がいくはずがない。
「佐伯、ちょっと話したいことがあるから今日は外でランチな」
朝礼前に、宮本課長から珍しくシャ食じゃなくて社外ランチに誘われた。
「俺はいいですけど。いいんですか?有田さんは」
イチにぃと有田さんは婚約を公表しているため、大っぴらに社内でも一緒にいることができる。
羨ましくない、と言えばそれは完全に嘘だ。
しかし、俺たちは俺たち。
立場が違うから仕方がないと、無理矢理言い聞かせるしかない。
「菜津美は今日はまひろとシャ食だってさ。俺は朝から出るから、ここで待ち合わせよう」
店の名前と場所が書かれたメモを手渡されたところで、朝礼の時間となった。
休憩時間になり指定された店に行くと、既に課長は個室で待っていた。
食事をしながら話さないといけないのは、相変わらずだ。
「翔、これはまだオフレコだからまひろには話していないけど、お前には先に話しておく」
「深刻な話ですか?」
わざわざこんな場所に呼び出すくらいだ。
「うんまあ、お前らにとってはそうかもな」
「回りくどいのは嫌いなんで、単刀直入にお願いします」
「……次の人事異動だけど、まひろは異動が決定している」
は?
「異動って……。何処に?」
「広報部・販促課。お前にとっては頭が痛いだろうな。迫田がいるし」
「どうして?アイツは俺のパートナーとして必要不可欠な存在になっているっていうのに。アイツのお陰で……」
俺の仕事の効率は、かなり良くなっている。
最初はアイツと組まされると聞いて『冗談だろ』と納得いかなかったが、その見下したような考えこそが浅はかだったと思い知らされた。
コンビを組むように仕向けてくれた、部長や課長に感謝しているほどだ。
それが何故、たったの1年で解消する羽目になったのだろう?
どう考えても納得がいくはずがない。