real feel
え……本当に?
「特にあの人は、貴浩兄さんは要注意人物だからな」
「……貴浩、兄さん……?」
話を聞いていたらしいイチにぃがポロッと呟いた。
マズイ!
佐伯主任の目がそう言っている。
だけど観念したのか、作業の手を止めて「ハアッ」と大袈裟にため息を吐いた。
「RYUZAKI工房の龍崎貴浩部長は、俺の」
「腹違いのお兄さん……なんですよね?」
主任とイチにぃと菜津美が一斉に私に注目した。
主任は注目したままだったけど、イチにぃと菜津美は、私と主任を交互に代わる代わる見比べているようだった。
「まさか、それを電話で?あの人何を考えているんだ!言われたのはそれだけか」
「違います。そのことを聞いたのは電話でじゃないんです」
「じゃあいつ……いや待て、じゃあ電話では何を話したと言うんだ?まずそっちから話してもらおうか!」
う……。
珍しく主任が興奮している。
私、まずったのかな……。
でももう止められるわけがない。
まだこんな場所で言うつもりなかったけど。
ここまで来たら私も観念するしかない。
「あの電話は、お誘いだったんです。代休だと聞いたから、もし都合がよければと。前から私を連れていきたい場所があると聞いていて。結局都合が悪くてお断りしましたけど」
「油断も隙もないな。で、何処に連れていかれそうになったんだ。返答如何によっては俺にも考えがある」
言っていいのか……。
だけど誤魔化す方法なんて見つからないし、やっぱり主任に嘘なんて吐きたくない。
「S・Factory……です」
「な……なんで……?」
あの時はまだ何も知らなかったけど、あの日主任は早退して実家に行くと言っていた。
もし私が貴浩部長と一緒に行っていたら、あちらで鉢合わせなんてことになっていたのかな。
貴浩部長はなにがしたかったのだろう。
「……あとで貴浩兄さんに確かめる。何考えてるんだまったく。……で、いつ誰から聞いた?俺と兄さんの関係を」
「それは、邦都市へ出張した時に参加した交流会で、主任の弟さんに会ったんです。佐伯祥平さん……弟さん、ですよね?」
「特にあの人は、貴浩兄さんは要注意人物だからな」
「……貴浩、兄さん……?」
話を聞いていたらしいイチにぃがポロッと呟いた。
マズイ!
佐伯主任の目がそう言っている。
だけど観念したのか、作業の手を止めて「ハアッ」と大袈裟にため息を吐いた。
「RYUZAKI工房の龍崎貴浩部長は、俺の」
「腹違いのお兄さん……なんですよね?」
主任とイチにぃと菜津美が一斉に私に注目した。
主任は注目したままだったけど、イチにぃと菜津美は、私と主任を交互に代わる代わる見比べているようだった。
「まさか、それを電話で?あの人何を考えているんだ!言われたのはそれだけか」
「違います。そのことを聞いたのは電話でじゃないんです」
「じゃあいつ……いや待て、じゃあ電話では何を話したと言うんだ?まずそっちから話してもらおうか!」
う……。
珍しく主任が興奮している。
私、まずったのかな……。
でももう止められるわけがない。
まだこんな場所で言うつもりなかったけど。
ここまで来たら私も観念するしかない。
「あの電話は、お誘いだったんです。代休だと聞いたから、もし都合がよければと。前から私を連れていきたい場所があると聞いていて。結局都合が悪くてお断りしましたけど」
「油断も隙もないな。で、何処に連れていかれそうになったんだ。返答如何によっては俺にも考えがある」
言っていいのか……。
だけど誤魔化す方法なんて見つからないし、やっぱり主任に嘘なんて吐きたくない。
「S・Factory……です」
「な……なんで……?」
あの時はまだ何も知らなかったけど、あの日主任は早退して実家に行くと言っていた。
もし私が貴浩部長と一緒に行っていたら、あちらで鉢合わせなんてことになっていたのかな。
貴浩部長はなにがしたかったのだろう。
「……あとで貴浩兄さんに確かめる。何考えてるんだまったく。……で、いつ誰から聞いた?俺と兄さんの関係を」
「それは、邦都市へ出張した時に参加した交流会で、主任の弟さんに会ったんです。佐伯祥平さん……弟さん、ですよね?」