real feel
ちゃぷん………。
湯船の中に2人浸かるとさすがに窮屈だ。
いまの私の体勢はというと、主任の脚の間に挟まれ後ろから抱き締められている状態。

顔を見られなくて良かった。
だってこんなの恥ずかしすぎる……。

「まひろ、ダイエット禁止したはずだけどまた痩せたんじゃないか?」

「そっそんなことないですよ!今日もたくさん食べたし……」

嘘、吐いちゃった。
本当は今日もあんまり食欲なくて、少ししか食べていない。
それなのにビールを飲み過ぎたから酔ってしまったんだ。

「営業1課でストレスたまったんだろうな。アイツの補佐とか。それに今日、アイツに何された?資料室で」

「小久保課長に?」

あ、しまった!
またイラつかせてしまう?
でも今のは不可抗力で……。

「まひろ、知ってるのか?あの資料室がどういう場所なのか」

「……知ってますよ。密会スポットらしいですよね。私は課長とは何もないですよ?主任が心配する様な事は何も」

「そうだよな、まひろにこんなことしてもいいのは俺だけだよな」

「あっ……。んんっ……」

主任の長い指が、私の一番敏感な部分を悪戯に探る。

『そうです、私の恥ずかしいところにまで触れていいのは主任だけ』

それを主任に伝えたいのに、口から漏れてくるのは甘い吐息と我慢できなかった喘ぎ声。
お風呂って響くから、余計に恥ずかしい。
私の声に気を良くしたのか、更に深く侵入してくる指。

「しゅっ主任は、どうなんですか?」

やっと何とか絞り出した言葉は、自分でも無意識に出た言葉。

「ん?……何が?」

主任の声も艶っぽくて、耳元を擽られゾクゾクしてしまう。

「主任は資料室で密会したり……しなかった……んですか?……」

指の動きがピタッと止まった。
中に入れられたままだけど。

「この際だから、正直に言ってください」

主任、これは紛れもない嫉妬です。

< 99 / 221 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop