First Snow


友人である「美桜」の式は滞りなく終わり、披露宴会場へと移動する。

もっと心からお祝いできていたはずの友人の結婚式が思わぬ形で会いたくない人に会ってしまい私の心は完全に乱れていた。

式に集中出来ないなんて…なんて失態だ。



「純花大丈夫?なんかさっきからボーっとしてるけど」

「あ…うん。美桜綺麗だなぁって…ちょっと色々考えちゃって」

「そうだね、美桜とっても綺麗だった」



友人達は口々にあれ感動した、私もやりたい!とか楽しそう。

ごめん…美桜、今度絶対違う形でちゃんとお祝いする。

せっかく素敵な式なのに。


内心そう思いながら披露宴会場では何事もなかったかのように振る舞い続ける自分。

披露宴会場に移っても円卓を囲むのは全て友人たち。

ここに集まっている私の友人は大学時代の思い出話に花を咲かせるだけであの男を知っている人なんていない。

私とあの男だけの繋がり。

この数時間さえ楽しく乗り切ってしまえば何もなかったのと一緒よ……

気持ちを切り替えてただただ時間が過ぎていくのを祈る私だった。





だが、悪いことは一度や二度では終わらない。

「二度あることは三度ある」だ。





「えー?!!純花二次会来ないのー?!」

「待って、純花行くっていうから私も行くって返事したのにどういう風の吹き回し?!」

「えーー美桜絶対悲しむよ?行こうよー」


「えー…っと、うーん」


さて、どうしたものか。
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