絡まる恋糸
その“物体”のせいで肩、痛いんですけど。
「何…知里(チサト)…。」
「てへっ★」
その物体は、木葉知里(コノハチサト)という、あたしの親友。
「まーた幼なじみの良とラブラブ登校でーすかぁ…」
知里があたしをニヤニヤ見ながら言う。
なっ、なんで知ってるのさ?!!?
っていうか…ラブラブじゃないし…。
「あんたが良好きな気持ちはわかるけど!!
良にべったりひっついてても良はあんたに惹かれないよ?!
好きなら潔くバサッとやらなきゃ!!」
好きなら潔く……って。
そんなの…できないよ…。
茶色でショートッカットのあたしの髪の毛に、そっとあたしは手を絡ませた。
学年で、きっとあたしと良だけが茶髪。
あたしも良も染めてはいない。
地毛だ。
最初は茶髪が嫌だった。
だけど…良と一緒の茶髪。そう思うとうれしくなったんだよ?
こんなこと思ってる、あたしって……馬鹿かな?