大和撫子物語

ずっと黙っているエレナを見て、クラスメートは笑うのをやめる。そしてエレナを思い切り睨みつけた。

「あんたさ、マジムカつんですけど！」

クラスメートの一人がそう言い、エレナに手に持っていたコーラをかける。エレナの髪や制服はコーラでびしょ濡れになってしまった。それを見て、クラスメートはさらに笑う。

「これで満足したかしら？私はあなたたちのこんな嫌がらせには負けないわ。何をしたって無駄よ。ちなみに、私があなたたちのせいで死ななければならなくなったら、その時は遺書にあなたたちの名前を書いておいてあげるわ。そうすればあなたたちは立派な殺人犯ね」

淡々と話すエレナに、クラスメートが「テメエ！」と殴りかかる。頰を何発か叩かれ、蹴り倒された。

予想以上の痛みでエレナが動けなくなっていると、「何をしているんですか！？」と驚いた様子の声が響く。エレナが目を開けると、時雨が走ってやって来た。

「小玉さん、大丈夫ですか？こんなにボロボロになってしまって……。すぐに着替えましょう」