大和撫子物語
クラスメートのことは無視し、時雨は立てますか?とエレナに優しく触れる。エレナはその温もりに安心し、時雨の手をギュッと握った。

「ちょ、ちょっと!城之内くん!!その女は城之内くんに色目を使ってるだけなのよ!!」

クラスメートたちが勝手なことを言い出す。それを、時雨は冷たい目で見つめた。

「彼女がどれだけ努力をしているか知らないのに、勝手なことを言わないでください。私は、あなた方が一方的に暴力を振るっているようにしか見えません」

そう言い放ち、時雨に連れられてエレナは教室を出た。



エレナは茶道部の部室へと連れて行かれた。

「ここには茶道部の着物が入っています。制服が乾くまでここの着物を着てください」

時雨はそう言い、花柄の美しい着物を渡す。エレナは「ありがとうございます」と言って着物を受け取った。

運動部が使うシャワー室で体についてベタベタしたジュースを洗い流し、エレナは着物に着替える。着物の着付けは蛍たちに教わっていたので、あっという間に着替えることができた。
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