欲しがりな幼なじみ
大したことのない言葉しかあげられない。
うぅ、ごめん、竹内くん。
「本当にそう思う?」
「うん……」
「でもさ、」
ギシッと、スプリング音が鳴る。
ゆっくりと起き上がった竹内くんは真っ直ぐに私を見た。
「長い時間隣にいたせいで、中々踏み出せない一歩、てのもあるよね」
「"踏み出せない一歩"……?」
眉を寄せる私に、竹内くんは笑った。
「俺の気持ちを伝えたら、その答えがYESでもNOでも、もう元の関係には戻れないでしょ」
仮に付き合えたとしても、もしかしたら別れてしまうこともあるし
断られたら、気まずくなるかもしれない。
「どっちにしろ今の関係が終わってしまうのなら、自分の気持ちは伝えない方がいいんじゃないかって、思う」