欲しがりな幼なじみ


寂しそうに言う竹内くんに、ギュッと胸が痛む。

そんなの、そんなのダメだ。



「竹内くんはそれでいいの?」

「まぁ良くないよね。ぜんっぜん良くない」



でも、

と彼は続けた。




「好きな人がいるみたいなんだよね」

「えっ」

「で、その相手が3組の神田。佐々木の幼なじみ」




驚きで、声が出ない。




「ついでに言うと、俺と俺の好きな人は幼なじみで……」

「なっ、」

「俺の好きな人と神田は同じクラス」


「何その関係……」




竹内くんにも幼なじみがいて、しかも由良くんと同じクラスって。

ということは、



「もし、神田の好きな人が俺の幼なじみだったら、
俺と佐々木、同じ立場になるね」

< 105 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop