欲しがりな幼なじみ
ギュッと目をつぶって、私からの返事を待つ。
彼女は、本当に由良くんのことが好きなんだ。
そんな萩原さんの姿に、私は手のひらを握りしめた。
そして、竹内くんの言葉を思い出す。
『どっちにしろ今の関係が終わってしまうのなら、自分の気持ちは伝えない方がいいんじゃないかって、思う』
「……由良くんは、ただの幼なじみだよ」
私の言葉に、萩原さんは顔をあげた。
「そっか……」と安心したように呟く。
本当に、由良くんのことが好きなんだ。
だから、噂になっている私に由良くんのことをどう思ってるのか聞いたんでしょう。
「もし佐々木さんも由良くんのことを想ってたら、諦めようと思ってたの」