欲しがりな幼なじみ
自分のスタートを切るために。
「あの、ね、佐々木さんにいきなりこんなことを言うのはどうかと思うんだけど」
「うん」
「でも、佐々木さんには言わないといけないなって思うから……」
「……うん」
頬を赤らめて、真っ直ぐに私を見つめる。
「私、由良くんのことが好きなんだ」
萩原さんが眩しくて、目を細めた。
「そっか」
こう言うのがやっとだった。
短く息を吐いて、立ち上がる。
「そろそろ戻るね。氷のうもここ置いとくね」
ソファの上に氷のうを置いて、扉の方へ。
すると、萩原さんに名前を呼ばれた。
振り向くと、萩原さんは心配そうに眉を寄せていて。