欲しがりな幼なじみ
今ならその理由が分かる気がする。
一緒に登校して、帰り道も一緒で
冗談を言って笑い合って
そういう幼なじみとしての関係を壊したくないという想いが、私の中にはあって
そういう考えが、私の気持ちに蓋をしていた。
由良くんは、私にとってかけがえのない人だ。
大事な人だから、失いたくない。
『今の関係が終わってしまうのなら、自分の気持ちは伝えない方がいいんじゃないかって、思う』
竹内くんと、同じだ。
自分の気持ちを伝えたら最後、もう由良くんとは"これまで通り"の幼なじみには戻れない。
……そんなの、嫌だ。
知られたらいけない。
隠し通さなくちゃいけない。