欲しがりな幼なじみ


***


朝、7時40分

玄関の扉を開けて、私の姿を捉えた由良くんは、驚いたように目を見開いた。




「おはよう、由良くん」




今日も寒いねぇ、とマフラーに口元を埋める。

由良くんの眉間に皺が寄る。


それもそのはず。

こうして由良くんと一緒に登校しようとするのは約2週間ぶりなのだから。



「……何してんの、お前」



予想通り、由良くんは不機嫌そう。
そんな彼に私は笑いかけた。



「球技大会も昨日無事に終わったし、良いタイミングかなぁと思って」

「何だよ、それ」


「"これまで通り"、一緒に学校行こうよ」



私の言葉に、ぴくりと肩が揺れる。

鋭く私を睨んでくる由良くん。

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