欲しがりな幼なじみ
そして自分の教室へと向かったその背中を見ながら、心の中でため息をつく。
"どうでもいい"か。
まぁ、別に、いいんだけどさ。
「なぁんだ、由良くんもうちょっと怒るかと思ってたのに」
「志保っ、わざと由良くんの前で言ったでしょう」
ジトっと睨む。
「ごめんごめん」って謝るけど、ちゃんと反省してる?
上履きに履き替えて、志保と一緒に教室へ。
竹内くんは、もう教室の中にいて。
数人の男子に囲まれている。
きっと、あの噂のことを聞かれているんだ。
眉を寄せて困り顔。
そりゃそうだよね。
竹内くんは、萩原さんのことが好きなのに。
私なんかと噂になってしまって……申し訳ないな。