欲しがりな幼なじみ


調理実習後の昼休み、簡単にラッピングしたカップケーキを持って私は由良くんのクラスへと向かった。


ていうか、さっきカップケーキ食べたばかりなのにまだ食べる予定なんだ……

なんて、教室でお弁当を広げていた志保の姿を思い出しながら苦笑いをする。


よく食べるのに何であんなにスタイルいいんだろう?

今度聞いてみよっと。


そんなことを考えていると、見慣れた後ろ姿を見つけた。



「竹内くん」



名前に反応してくるりと振り返る。

私の姿を見て彼は「あぁ」と顔を和らげた。



「購買に行くの?」

「うん。お弁当家に忘れてさ」



困ったように笑う竹内くん。
その手にはお財布が握られている。

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