欲しがりな幼なじみ


「や、えっと、」



パッと、由良くんから目を逸らす。



「あっ、そう!これ、お母さんが由良くん達にどうぞって……」

「なにこれ」

「おばあちゃん家のミカン!大量に送られてきたから」



「ふぅん」と、ビニール袋を受け取って、中を見る。

私からミカンに視線が移ったことに少し安心した。


はぁー、と心の中で長く息を吐く。



「おばさんにありがとうって伝えといて」

「あ、うん。もちろん」



大丈夫、だいじょーぶ。

一々意識しなくたって、いいんだから。



「……で、他には?」

「っえ」



ジッと、由良くんに見られて体が固まった。


由良くんの髪がまだ濡れている。

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