欲しがりな幼なじみ


ペンケースを取り出して、由良くんに渡す。

元いた場所に座り直して、由良くんからの説明に耳を傾けた。



「──なるほど……分かった、ような気がする」

「気がするってなんだよ」



無駄なものを省いた由良くんの分かりやすい説明を聞き終えて、

私は最後の選択問題に取り掛かる。



「ありがとね、由良くん」

「別に」



abcの3択問題を、私はcに丸をつけた。

これで終わり。



「疲れた……」



力尽きてローテーブルに突っ伏す私。

真っ黒な視界の中で、「それにしても」と口を開く。




「由良くんは、モテモテだねぇ」




バレンタインデーにはチョコをたくさん貰ってきていたし

告白も何回もされているだろうし


カップケーキだって貰っている。

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