欲しがりな幼なじみ


「羨ましいな」

なんて、顔を上げてそう言うと、由良くんは、


由良くんは。



「っちょ、」



私の肩を力強く掴んで、その場に押し倒した。

目の前にある由良くんの怒ったような、悲しそうな顔に、



「今、自分がどんな顔して言ってるか分かってる?」



その言葉に、きゅ、と胸が軋む。



「ゆ、由良く、離れて、」

「嫌だ」



肩を掴む手に力が込められる。

痛いよ。



「前にも言ったけど、"これまで通り"なんて絶対嫌だから」

「由良くん、」

< 142 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop