欲しがりな幼なじみ
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「バッカじゃないの」
昼休み、教室の前の廊下で、志保は呆れたようにそう言った。
朝からずっとテンションの低い私に「いい加減に全部吐きな」と問い詰められて、
これまでのことを全て話終わったらこれだ。
「う、そんな風に言わなくてもいいじゃん……」
「いや、言わせてもらうね。だって全部結佳のわがままじゃん」
「うぐ、」
今はその正論パンチがキツい。
全くもってその通りだから。
「由良くんを意識し始めて、ようやく自分の気持ちを自覚して、なのに今度は幼なじみとしての関係を壊したくない?何なのよ、その考えは」
ため息をつく志保に何も言えない私。
「そんなの、由良くんが報われないよ」