欲しがりな幼なじみ


***


「バッカじゃないの」



昼休み、教室の前の廊下で、志保は呆れたようにそう言った。


朝からずっとテンションの低い私に「いい加減に全部吐きな」と問い詰められて、

これまでのことを全て話終わったらこれだ。



「う、そんな風に言わなくてもいいじゃん……」

「いや、言わせてもらうね。だって全部結佳のわがままじゃん」

「うぐ、」



今はその正論パンチがキツい。

全くもってその通りだから。



「由良くんを意識し始めて、ようやく自分の気持ちを自覚して、なのに今度は幼なじみとしての関係を壊したくない?何なのよ、その考えは」



ため息をつく志保に何も言えない私。



「そんなの、由良くんが報われないよ」

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