欲しがりな幼なじみ
『報われたいから』と、そう言っていた彼の姿を思い出す。
「由良くんの気持ち、もう気付いてないわけじゃないんでしょ」
「……幼なじみとして見られてはいない、のかな、とは思う」
「じゃあもう解決じゃん!告白して結ばれて終わり!何がダメなの?」
そう言いながら私の肩を揺らす志保。
でも、でもさ。
本当に、それで解決するのかな……?
「私達はまだ高校生で、まだまだこれから先色んな人に出会って、色んな経験をする機会があるでしょ」
大学に進学して、就職して、仕事してさ。
「もしかしたら、私よりずっと魅力的な人に出会うかもしれないし、
私のことなんて忘れちゃうぐらいに、やりがいを感じることに出会うかもしれないし」