欲しがりな幼なじみ
それに……と志保は続ける。
「幼なじみでいたいと思う気持ちも分かるけどさ、本当にそれでいいの?」
「……どういうこと?」
「もし、由良くんに彼女ができたら、結佳はもう由良くんの隣にはいれないよ」
だって、"ただの幼なじみ"だもん。
「由良くんの全部を欲しがる欲張りな結佳ちゃんに、そんなの耐えられる?」
「ちょっと!そんな風に言わないでよっ」
ムッとする私に、志保は笑った。
「本当のことでしょ」なんて言いながら。
そんなこと、ないのに。
「まぁでも、早くしないと本当に他の子に取られちゃうかもよ。
ただでさえ、今の由良くんは傷心中なんだから」
志保がそう言った瞬間、昼休みの終わりを知らせるチャイムが鳴る。