欲しがりな幼なじみ
由良くんと、萩原さんの声だと分かった。
慌てて靴箱に隠れて、そっと様子を伺う。
階段から降りてきた2人は、話に夢中で私がいることに気付いていないみたい。
「っは、なにそれ」
可笑しそうに笑う由良くんの姿に、ギュッと胸が締め付けられる。
由良くんは、私以外の前だとよく笑うし、冗談も言う。
優しいし、人からよく好かれる。
彼女なんて、きっとすぐに出来る。
でも……
「あれは辛いねー」
「ひゃあっ……!?」
バクバク、心臓がびっくりしてる。
いきなり後ろから声をかけられたら、誰だって驚くに決まってるんだから。
もう、驚かせないでよ。
「竹内くんっ」