欲しがりな幼なじみ


竹内くんは、向こうにいる2人をもう一度見て言った。



「まぁ、良い気はしないよね。好きな人が他の男子と楽しそうにしているのを見るのは」

「そう……」

「でもさ、」



そう言って、私の顔を覗き込む。




「佐々木がそんな顔をする必要はないんじゃない?」




……確かに、そうだ。

由良くんはただの幼なじみだと、そう言い聞かせたのは私で。

由良くんが他の女子と話していることに対する感情は、

悲しいとか寂しいとか、焦り、とか。


そんなものじゃないはずなのに。




「どうして佐々木が泣きそうな顔をするの」



そんなの、決まってる。


私が、由良くんのことが好きだからだ。

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