欲しがりな幼なじみ
ただの幼なじみだと、思ってないからだ。
『もし、由良くんに彼女ができたら、結佳はもう由良くんの隣にはいれないよ』
『"ただの幼なじみ"だから』
由良くんを、誰にも……萩原さんにも、
「取られたく、ないから」
ポツリと、溢れでた言葉に竹内くんは満足そうに笑った。
「佐々木って、自分で思ってるよりずっと、感情が顔に出やすいよね」
「知らないよ、そんなの……」
由良くんを、取られたくない。誰にも。
じゃあ、どうしたらいいの。
「……私、萩原さんと話してくる」
「うん」
「ありがとね、竹内くん」
急いでローファーに履き替えて、竹内くんにお礼を言う。