欲しがりな幼なじみ
「佐々木さんも、分かりやすいよね」
「え、っと……」
「初めて保健室で話した時から分かってたよ。佐々木さんも由良くんのことが好きだってこと」
「えっ」
プルルル、と電車の発車を知らせる音が鳴る。
萩原さんは慌てて中に入り、私に向き直ってまるで竹内くんみたいに意地悪く笑った。
「明日、由良くんに告白しようと思ってたんだ。
負けないからね、佐々木さん」
「えっ!?あ、ちょ、」
扉が閉まる。
慌てる私の様子に、萩原さんは楽しそうに笑っていた。
──そして
汗が引いて体が冷えてしまったせいか、
萩原さんが由良くんに告白する大事な日だというのに、
私はその日熱を出して学校を休んだ。