欲しがりな幼なじみ


アイツは"志保"って、呼んでたっけ。



「なに?」

「あっ、そうそう……結佳が今日休んでるんだけど、何かあったの?」



メッセージにも返信なくて。

と、心配そうに聞く壽に俺は眉を寄せる。



「悪いけど、俺も知らない」



休んでることだって、今初めて知った。


一緒に学校に行かなくなったんだから、知らなくて当然だけど。



「あ、そっか。まぁ……そうだよね」



結佳から色々話を聞いているんだろう。

それ以上は深くは追求されなかった。



「それじゃ」



早くしないと休み時間が終わってしまう。

今度こそ自販機へと足を踏み出す。



「由良くん」



もう一度振り向く。

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