欲しがりな幼なじみ


「どういうこと」

「っ……」



俺の短い言葉に、簡単にその手を放す。

「ごめん」と、
「なんでもない」と。



『"これまで通り"、一緒に学校行こうよ』



──お前は、"大切な幼なじみ"に対する態度を貫こうとする。

そういうところに、俺はずっと腹が立っている。




「お前、今までの関係を壊したくないって思ってるんだろ」




結佳の瞳が揺れた。


……むかつく。


俺が、俺だけが幼なじみを辞めたいって思ったって、意味ないんだよ。

お前も、向き合ってくれないと、意味ないんだ。


じゃないとお前、逃げるだろ。



「わ、わたし……」



むかつく。


何年、一緒にいると思ってるんだ。

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