欲しがりな幼なじみ


マフラーを首に巻いて、机の上に置いていたスクールバッグを肩にかける。



「行ってきます」と声をかけて、私は玄関のドアを開けた。



毎朝7時40分

家を出た私が足を止める場所は、隣のドアの前。

私は人差し指でインターフォンを押して、

大事な彼の名前を呼ぶ。



「由良くーん、出ておいでー」



そして待つこと30秒
ガチャリと音を立てながらドアを開けて、
由良くんは不機嫌そうな顔で私を見下ろした。



「おはよう、由良くん。一緒に学校行こ」

「お前、朝からうるさい」



由良くんはそう言って、眠そうにあくびをした。

エレベーターに乗って、駅までの道のりを歩く。



すぐ隣にいる由良くんに少し照れる。

< 180 / 200 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop