欲しがりな幼なじみ
いいでしょ、別に。
「安心したいんだよ。まだ、実感湧いてないの」
由良くんの特別は、私だけなのか。
由良くんは、私だけのものなのか。
「……ダメですか」
チラリ、由良くんを見る。
口元に片手を当てて、満足そうに彼は笑っていた。
そのまま何も言わずに、由良くんは私の右手をギュッと握る。
途端に、胸が暖かくなって、自然と笑みが溢れた。
そんな私を見て、由良くんが一歩近付く。
顔を覗き込むようにして私と目線を合わせた由良くんは、
「……欲しがり。」
そう笑って言って、キスをした。